November 06, 2009

種牡馬

「種付け料がボッタクリすぎなんじゃゴラアア」というエントリーを書いた翌日にブルーコンコルドが引退・乗馬にというニュースが飛び込んできました。今更言うまでもないですが、ブルーコンコルドといや10億円近い賞金を稼いだGI7勝のスーパーホースです。

「どうして種牡馬にしないの?」というのが多くの競馬ファンが抱く感想だと思うんですけど、勿論現実は「したくても出来ない」という事なのでしょう。

しかし、これ考えて見れば、オーナーサイドは悲惨ですよね。まー、10億円も稼いでくれたのだから悲惨っつー言葉はおかしいかもしれませんが、普通GIを7勝もしてりゃ更に種牡馬として稼ぐはずで、本来はこれからもガッポガッポのはずなのに、その利益が一切無いって事なんですから。

しかも、「やってみたがダメだった」じゃないですからね。「チャンスすらなかった」という事です。

少し話が変わりますが、先日のエントリーで、「私は Street Cry を産駒の活躍前に評価していた」という内容で記事を書きましたよね。一応、お断りしておきますが、ありゃ別に「私には種牡馬を見る目がある」なんて趣旨ではなくて、別に何かことさら自慢しているというわけではありません。

まー、普通に考えて将来的に活躍するだろう種牡馬を予言するなんて事は人間には不可能なわけでして、みんながみんな好き勝手に「あれがいい、これがいい、ありゃダメだ、筋肉の収縮力が(略」とか言ってますけど、そんな事に元々たいした意味はないんですね。

意味があるのは、「実際に何を種付けするか?」「その種牡馬にそれだけの種付け料を支払えるか?」、総帥みたいな牧場規模での話なら「どの種牡馬を買ってくるか?」という局面だけであって、実際に種付けするわけじゃないなら、全てがただの能書きにすぎないんですよ。「天皇賞秋はウォッカが勝つ!」と息巻くのはいいんだけど、「お前単勝10万円も買ってないでしょ」という話と同じです。

つまり実際に勝負する人の予測、予想ってのは当然結果に当たり・ハズレがあるんだけど、せっかく当たってるのに何のリスクも取ってない他人の意見を聞いたせいでそれがハズレてしまうのは馬鹿らしいって事なんですね。

ブルーコンコルドも同じなんですよね・・・。結局当事者が「種牡馬としては成功しない」と踏んだのだから、他人があーだこーだ言ったところで失礼なだけなんですよ。ましてや「種牡馬にするべき!」とか叫ぶのは、現実レベルの話においては「じゃあ君、生まれた仔を買えるの?」「種牡馬になったら種付けするの?」という話にどうしてもなってしまいます。

まぁ、結局は「不景気である」という現実に行き着くんですけどね。

更に言うとですね、競走馬の生産という事でいうと、日高の生産者がヤバイヤバイって言われてますけど、個人的には社台の方がヤバイんじゃないかとも思うんですよ。セレクトセールの結果を見ると、まだここ数年は磐石の体制でしょうけど、そのうち高馬を買う人っていなくなりそうな気がしませんか?リーチ、トーセンさんがいなくなったら、もうそれだけでも一気に価格破壊が起こりそうな。

あんなさ、一億円とかいう馬を買うのって、本当にそれだけの価値があると思ってるから実際にお金を支払うのでしょうけど、もうそんな夢を追ってとかいう時代じゃないような気もするんですよね。というか、既に馬主の多くにそんな経済的体力もヤル気もないんじゃないかなと思います。なので、クラブ馬全盛の時代になるというのは実に理にかなっているんだけど、そこもダメになってくると、さすがの社台も屋台骨が揺らぐんじゃないかなぁ・・・。

個人馬主側は、かずら先生がパイオニアといいますか、なんかもう輩に騙されないように互いに情報交換しながらリスクの少ない競馬を楽しむというのが時代の趨勢といいますか、まぁくりげさんみたいな高級志向の馬主さんもサマーセールでイヤリングを購買するなどされてますし、実際のとこ何千万円も馬一頭に出して、それが走らなかったらダメージが大きすぎるという当たり前の事実にみんな既に気付いているということなのだと思いますね。

しかし、話を戻してブルーコンコルドが地方用の安価な種牡馬としてすら出発できないという現実を考えると、結局、高馬の生産はリスクが高すぎるし、安馬も採算ベースに乗りにくいということで、日本の競争馬生産ってのは既に構造的に破綻してるのかもしれないですね。

まー、他人の事を心配する前に、私が破綻しないようにしないといけないんですけど、本当に「景気の良い話がないね」という事だけは言えるんじゃないでしょうか。

投稿者 Jyoukan : November 6, 2009 01:09 PM
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