August 24, 2008

サマーセール2008総括・その2

サマーセールで思ったこと、その2はJBBA・日本軽種牡馬協会そのものに対する疑問です。

例えばですが、オーストラリア最大の民間セリ会社であるInglisでは、牧場からのイヤリング上場に対する受け口は一つだけで、それも半年以上前に受付が締め切られます。その後、Inglisの人達が登録のあった馬達を見て回り、イースターセール>プレミアセール>クラシックセールのように、その馬のランクに応じて、上場するセールを決定します。結果、自分の予算に応じて、購買者はどのセールに参加すればいいのか容易に判断ができ、実際の上場馬のレベルもセールの格に応じて振り分けられるといったシステムになっています。

私が気になるのは、セレクションセールで上場された馬達の数が少なすぎる割に、サマーセールに良い馬が混じりすぎているという事なのです。

一方で、今回のセールにおいて、購買後のレントゲン写真による検査で疾患が確認され、購買そのものがキャンセルされたというケースが結構あったと聞きました。実際に購買された馬主さんで、私の知り合いという馬主さんはそんな何人もいるわけではないのですけど、実に3人もの馬主さんがレントゲンでの検査の結果、購買をキャンセルしています。

私は別に、そんな疾患のある馬を売るんじゃねーとかいう気はありません。そういった馬が混じってしまうのは「仕方ないこと」であって、別にそれ自体をどうこういうつもりはありません。

しかし、セリ会社というのは、ただ単に馬を売ればいいというわけではなくて、市場のブランドを形成していくというのは、商売をしていく上での基本事項なわけですから、そりゃ香港JCは買いにこないよといいますか、セレクトセールとの違いはまさにここだといいますか、「良い馬ばっかりが上場されているブランドセール」と「馬の質はいまいちだけど、その分は値段を下げるから買ってください」というセールとで、ちゃんと分けていかないと信用を失いますよという事を強く言っておきたいのです。

市場というのは、言ってみれば売り手と買い手との真剣勝負の場なのですが、それを騙しあいの場にしてしまっては、善良な購買者が逃げてしまうという事ですね。

今回、私はJBBAの奢りで、えーと・・・・天丼と、ステーキ定食と、ラーメンとコーラとウーロン茶2杯をかずら先生の部屋で食い散らかして、置いてある飲み物もがぶがぶ飲んでいたので、余り偉そうなことを言えた義理でもないのですけど、「上場馬の選抜基準」というものを明文化したほうが、長期的に見ると、このセールが多くの人に認められることになるのではないかとは思います。

あとは、まぁ岡田総帥は良いとしても、やっぱJRAが目障りですね。彼らは、さすがにちゃんと馬を見ていて、良さそうな馬だけど、もう少し時間がかかるだろうという馬をきっちり拾って買っていきます。しかも、定価で。あんな事をされていては、地方の調教師はたまったものではありませんし、お買い得な馬を弱小馬主が買える可能性も無くしてしまいます。海外からの購買者も引くでしょうね。

生産者から見れば、JRAは神様のような存在でしょうけど、世界中のどこの国を見渡しても競馬の主催者が馬を買い上げてピンフックしてるようなところはありません。そもそも、JRAがどうして育成をして、トレーニングセールで馬を売らないといけないのでしょうか?予算が余っているなら、地方競馬の振興などの使い道に振り分けられるべきだと思います。この辺りも近視眼的なこの国の競馬を象徴しているようで、まったく好きにはなれないですね。

まぁ、あとはそうですねぇ・・・今回、園田の柏原調教師と毎日続けて「つぼ八」で飲んでいて、3日かけて全てのつまみを一通り頼んだという訳のわからなさだったのですけど、やっぱこの先生はオトコ気のある先生で、日本でも一頭持ってみたいなぁと思ったという事ぐらいでしょうか。

なんか、くりげさんから電話がかかってきていて、「気に入ったら買ってもいいと言ってくれてます」と喜ばれていたのですけど、私が「そんなもん、気に入るも何も、言われた馬を黙って落札したらいいんですよ。」と言ったのに結局パスもされてました。なんとも、じれったい人ではあります。

しかしながら、私が結構な頭数の馬見を依頼しても快く全馬を見て、気になるところも教えてくれましたし、このサマーセールでは大変お世話になりました。インターネットは見てないそうですが、この場で御礼申し上げます。あと、くりげさんには、柏原先生に馬を買ってあげる前に、俺様に馬を買ってタダでよこしやがれと言っておきたいと思います(笑)。馬主も育ててくれと(笑)。

さて、総括というよりは、なんか感想文みたいになってしまいましたが、とりあえずはこんなところでしょうか。私も、今回は結構金額的には頑張ったと思うのですけど、結局買えませんでしたので、次はオータムです。まぁはっきり言って馬の購買というのは、「買ったら負け」みたいなところもありますので、次回も余りムキになることもなく、淡々と良い馬を選んで出してもいいお金を決めて競っていきたいと思います。

投稿者 Jyoukan : August 24, 2008 04:09 PM
コメント

今年からJRAは生産部門の研究も始めました。

http://www.equinst.go.jp/JP/kita/hidakadayori.html

こういった事って、なかなか規模の小さい生産者が出来ることじゃないですよね。
それを講習会で無償で提供してくれるのですから、ありがたいことです。

JRAにしても、オイルマネーのように湯水のごとくお金があるわけではなく、閉めなければいけないところもあるわけです。
それが、ブリーズアップセールの始まりのきっかけであり、今後生産馬もそのセールで販売しなければいけないのです。
それが民業圧迫の懸念もありますが、生産頭数を研究可能な範囲で制限するとの事です。

浄潤さんがJRAの馬主免許をもっていなく、ブリーズアップセールに参加出来ないから、余計怒られるのでしょうが、他国の競馬主催者には出来ないことをJRAがこれまでやってきたからこそ、今の日本競馬があるのではないでしょうか。
ただ、JRAが日本の競馬全体の事を考えているのか?と言う問いには私も疑問です。

確かに、現行の馬主認可の制度では、この先ジリ貧なのは分かっていることです。何らかの手は打たないといけないでしょう。それが海外居住者への馬主認可なのか、国内の馬主認可レベルの引き下げなのか、そのどちらかでしょう。
今のJRAの“海外志向”の流れからすれば、海外居住者のほうが認められそうですが。

JRAにしても、ローカル競馬場単体での売り上げでは赤字なわけです。その上である意味商売敵でもあり、取り込んでもお荷物になる今の地方競馬の抱え込みなんて、ある分けないのです。

ただ、この先を目指す上で、自国の競馬の基盤をしっかり作らないといけない訳で、その役割を今のJRAが果たすことが出来るのか?

みんな自分が生き残るので精一杯で、全体の事を考えられない。近視的な競馬と言うのは、的外れな言葉ではないですね。

Posted by: 天道虫 : August 25, 2008 01:44 AM

天道虫さん、はじめまして。

私もJRA総研のレポートなどは興味深く拝見しておりますし、その有意性を否定する気はないのですけど、もう少しやりようはあると思います。

私の全日程を通しての第一希望馬は最終日のタイキシャトルでした。しかし、これもJRAが一般の馬主と延々と競り合って1500万円とかで落札しています。

競り負けると誰しもが悔しいですし、朝から一生懸命に馬を探してようやく良い馬を見つけたと思ったら、JRAが延々と競りかけてきて、結果、彼らが持っていったというのでは、一般の購買者にとってかなりアホらしくなる話です。

研究用であるというのならば、お題から倍以上の値段まで競らなくても他の馬を買えばいいじゃないかと思います。

彼らは良い馬をきっちり選んでますし、やってる事はただのピンフックじゃないでしょうか。しかも、それはJRA馬主にしか売らないわけで、かつ利益が出ない価格では売らないといったこともなく、一部への利益供与という面も否定できません。

まぁどうしても欲しければ、知り合いのJRA馬主に頼んで落札してもらえばいいだけなんですけど、そんなにたくさん良い馬がいるわけでもないのに、良い馬のうち相当数の馬をJRAが相場観など関係なしに落としにくるようでは地方の馬主や私みたいな人はセールへの参加を辞めようという事になって、市場振興という面ではマイナスもあると思います。

といいますか、一言でいうと「不自然」です。

Posted by: 浄閑 : August 25, 2008 09:04 AM