セレクトセールレポート続編です。
本セールは、日本のセールですので、思った事をそっくりそのまま書くと余り宜しくないこともあるのですけど、まぁ私は馬主資格も持っていませんし、日本の競馬界においては「正真正銘ただの馬券買い」に過ぎませんので、いくつかの海外セール経験者としての意見も織り交ぜて率直な感想を書いてみたいと思います。もし関係者の方が見ていたとしても、所詮素人の戯言ですので、余り深い突っ込みはしないでくださいね(笑)。
まず、当Blogにもコメントが寄せられていましたが、社台系と非社台系の違いについて。既にセールが終了していますから、各種売上げデータも出揃ってますけど、両者を比較すると、どうしてこんなにも大きな違いが出るのか。今日はこの問題に触れてみたいと思います。
私は8日の昼からと9日の朝に下見を行ったのですけど、「馬の仕上げ」という事でいうと、ノーザン、社台、ダーレー、日高の大牧場、日高の中小牧場の大きく5つに分けてその傾向が論じられるべきだと思いました。
まずノーザンは、USAのコンサイナー的な仕上げを施しており、商品としての完成度向上をはかるといった方向性であったと思います。リザーブが高額な馬も多く、つまり「自分達が生産した馬をいかに高く売るか」という単純明快な牧場の使命をまっとうすべく、それに沿った売り方をしているという印象を持ちましたね。「血統レベルがトップクラスの馬であっても、庭先ではなくこの市場で売るんだ」という意思が一番強く出ている牧場で、要するに出し惜しみなし、しかし高値できっちり買ってもらいまっせという姿勢が感じられました。結果、セールの主役がここの牧場となるのは自明の理だということです。
一方、社台は古式ゆかしい日本の上品な牧場という印象です。正統派という言葉が一番しっくり来るのではないでしょうか。私的には一番好感度が高い牧場であったと付け加えておきます。
<余り直接的な言葉で書くとナニですので、行間をどうにか読んでください(笑)。>
ただ、両牧場の馬を引き出してもらった時には共通点があって
・父馬の影響をどの部分でどの程度受けているか
・母馬の影響をどの部分でどの程度受けているか
・母馬が現役時代どのような競走馬であったか
・兄弟にはどのような特徴が見られるか
・気性面での特徴は何か
などなど、1頭づつ実に懇切丁寧に説明してくださいます。そして、それは虚飾というわけでもありませんでした。洗練されたセールストークではあるかもしれませんが「馬主さんに良い馬を納得して買ってもらおう」というスタンスであるのが明確です。ダーレーにも、そういった面がありましたけどね。
一方の日高の大牧場と中小牧場はというと、大牧場は馬を出して見せてくれる(解説なし)、中小牧場は見に行っても人がいないので見れないという違いがあります。まぁ私が見にいったその中小牧場の馬は、かなりの値段がついたのに主取りでしたので、元々売る気がなかったのでしょうけど、それにしてもセレクトセールみたいな注目度の高いセールの下見日に人手が足りていないというのは相当に信じがたいという気はします。
この人手の問題というのは非常に分かりやすい話で、販売用の馴致からスタートして、馬を市場で売る、しかも高値で売ろうと思うと、様々な処置を仔馬に施さなければなりません。昨今、この人手の問題を解消するために日高の牧場ではコンサイナーを利用してその弱点を克服しようとしていますが、派遣社員のみで構成されている営業マンのグループと、自社社員で構成された営業マンのグループとで営業売上げの勝負をしたら後者が圧勝するのと同様に、「マンパワー」というのは借り物ではなかなかまかないきれるものではないのです。
・販売までに仔馬にかけた手間
・販売時におけるマンパワー
この2点から論じると、「ノーザン、社台、ダーレー」と「日高の大牧場、中小牧場」とで大きな違いがみてとれ、それが販売結果に影響しているという事は言えると思いました。
ただ、セレクトセールは日本競走馬協会主催のセールですから、「上場元に貴賎なし」といいますか、各牧場はみんな平等な立場であろうに、日高の牧場から上場されている馬達は遠く離れた厩舎に集められていまして、隅っこに追いやられているといいますか、ちょっとあからさまといいますか、上手にやる気を削いでいるなといいますか(笑)、んーって感じではありましたね。
あとは、やはり血統レベルというものが、馬本来の価値とは全く違う次元で、このようなプレミアセールにおいては非常に重要なわけですから、数千万円という額で売りたいのなら「血統一流、馬体一流」であるのはむしろ当然なわけでして、もしそうでないなら、お代の額は「希望額」ではなくて「商品価値」という視点から見ないことには主取りが増える結果になるのは仕方ないと思います。「元がいくらかかったから」なんてのは「お付き合い」という要素が前面に出ている庭先でならともかくも、セールの買い手にとっては何の関係もない話なのです。血統はイマイチだけど、馬の出来には自信があるというなら他のセールに出した方が多分良い結果が出るのではないかと思います。
まぁ何をもって良血とするかってのは判断が難しいのですけど、私的には牝系というものがあるとはいえ、ブラックタイプの多寡については3代目以降だと余り関係ないと思ってますので、その視点から見ると実は社台関連の馬を含めても「良血」と言い切れる馬はそんなにたくさんいるわけでもないんですよね。来年はディープインパクトの仔が出てきますし、種牡馬という視点から良血と言っても良い馬が増えるとは思いますけどね。
そろそろマトメに入りますが、「どの馬を買うか?」ってのはまた、「どこの牧場から買うか?」の先にある検討項目であって、そのために行う「馬の下見」ってのは、馬だけではなく「人の下見」であるわけですね。まー、人手が足りているか、私みたいなどう見てもただの貧乏人にしか見えない人を相手にちゃんと応対できるか?ってのはある意味、かなり有効なリトマス試験紙かもしれません(笑)。
しかし、今回下見をしていて個人的に一番驚いたのは、ダーレーの職員の方に「オーナー」と呼びかけられた事で、余り丁寧に接されると戸惑ってしまうのも事実です。知らないという事は恐ろしいことだといいますか、「オーナーって誰?え?俺?」みたいな(笑)。まぁ、「 Henny Hughesの種付け料をまけてくれないと今年も Coolmore でつけるよ?ん?」とか言ってた俺も俺なんですけど(笑)。
まぁまぁやはり北海道まで行って色々見ていると、見聞だけは深まりますね。次に参加するセールはおそらくサマーセール。今度は自分自身が購買する事になるでしょうし、落札まで持っていける可能性も少なからずあるでしょうから、頑張らなくてはいけません。サマーセールはまだ磨かれていない原石を探すという点においては一番有効なセールでしょうから、今度も腰をすえてじっくり検討したいと思います。
ついにサマーセール参戦ですか!
地方で使うなら中央に挑戦するときに
通用するような芝も走れる馬を購入するんですよね?
アドバイスベガさん、こんにちは。
ちょっと仕事のスケジュールが入っておりまして、参加できるか微妙な情勢なのですけど・・・。
どんな馬を買うかってのは、まだ悩んでいるのですけど、結局のところ「調教施設の違い」というハンデを超えるなら「血統的な力」に頼らざるをえないわけで、お書きのように「芝のステイヤー血統」という裏のスペースを狙うつもりではいます。
そうなると認定に関しては「能力の違い」で勝ってもらうしかないので、まー、どのみち確率の低いところで勝負せざるを得ないというのは変わりません。
今のところはステイゴールド本命です。
Posted by: 浄閑 : July 12, 2007 05:18 PM