March 16, 2007

岩手競馬・雑感

融資案否決を受けて、県知事が競馬事業の廃止を明言。「岩手競馬消滅」は時間の問題になってしまいました。最後の望みである奥州市による単独開催も、市の財政状況を調べてみたところ、そんな博打をうてるような状況にはないようです。

否決された融資案の内容も昨晩じっくり拝見させていただいたのですが、客観的に見ると、「競馬組合の退路を断つ代わりに300億円頂戴」という内容で、2年間の猶予を経た上で出すようなものではないと思いました。端的に言えば、「赤字をださないように頑張るから、今回だけは勘弁して」という趣旨の案であり、「この2年間は一体何だったの?」という印象を受けます。

私は学生時代から、山登りをしているのですが、山登りというのは常に最悪の事態を想定しながら登山計画を建てます。登山というのは、たまたま天候が良い、体調が良い場合に事故がないのは当たり前で、その条件が悪化したときにこそ、登山者の力量が問われるものなのです。だからかもしれませんが、この融資案では、私はとても怖くて山には登れません。おそらく否決にまわった議員さんも同じ心境だったのではないかと思います。「遭難したらごめんね」と言われながら渡された登山計画書に従って冬山に登る事はできませんよ。

焦点は、「本当に単年度黒字にもっていけると議員さんに説得力のあるアピールができるか」にあったのに、肝心の応援運動も「感情論」から抜け出せなかった面があったのではないかと思います。あんな勝負服を着た騎手が議会にいくなんてのは、逆効果じゃないのかとまで感じます。廃止がほぼ確実という状況になって、いくつかのBlogで岩手競馬廃止を阻止するという主旨の記事が載っていますが、そのほとんどが、やはりこの期に及んで感情論の域を出ていません。耳触りだけは良いんですけど、何の意味もないんですよね。

一票差という僅差だっただけに、やるべき人がやるべき事をやっておけば廃止という方向に舵がきられることはなかったでしょう。

根本的な廃止の原因は、400億円以上という常識外のお金をつぎ込んだオーロパークの新築費用という事になるのでしょうけど、この2年間の間に単年度で黒字にもっていけなかった競馬組合、および岩手競馬関係者に危機感が欠落していたという要素も大きいのではないかと思います。現実的な話でいうと、この競馬組合では無理で、例え存続していたとしても、競馬組合の中の人を総入れ替えするぐらいでないと経営的な改善は実際に見込めなかったとも予想されますけどね。

今朝、岩手に馬をいれているどんぐりさんと電話で話したのですが、もう生産者も自らが生き残るために昨年の段階で地方用の馬なんてほとんど作ってないそうです。無茶苦茶小規模なのに、スペシャルウィークつけていたりして、もう中央にしか売れないという前提で配合しているとか。

こうなると、今年新種牡馬のバランスオブゲームとかは、ろくすっぽ相手にされないでしょうし、生産の世界でもその土台が崩壊しつつあるんでしょうね。こんな状態ではバランスオブゲームが好きだった競馬ファンは興ざめでしょう・・・まぁ私もその一人ですけど。それに、根本的な話で言うと、種牡馬に多様性が無いって、かなりきついと思いますよ。そのまま競走馬に多様性が無いって事に繋がりますから。

一日に2億円近い売上げを誇り、馬事文化にも理解のある土地柄であった岩手での競馬廃止。潜在的な馬券購入者の減少数という事を考えると、他の地方競馬開催者、JRAの売上げにも大きくマイナスに作用するでしょう。次は、高知、その次辺りが佐賀、そして本丸の道営と、これからも廃止という波が続くであろう事は容易に想像できます。

さきほどNHKのインタビューで女性がこんな事を言ってたそうです。

「私たちの納めた税金がギャンブルに使われないのでよかったと思う」

競馬ってギャンブルだけじゃないんですけどね。それだけ競馬業界の社会的地位が低いってことなのですから、もっと業界として健全化への道を歩まないと見捨てられるという事だと思います。

投稿者 Jyoukan : March 16, 2007 01:32 PM
コメント

こんばんわ。
種牡馬の多様性についてはご指摘のとおりと思います。
一極集中では、面白くありません。
生産者それぞれに配合については考えがあると思います。
僕の場合は、資金的余裕がないので社台SSばかりとはいきません。
ことしの生産馬も多士済々というか、マイナー種牡馬も沢山います。
ヒシミラクルやマイネルセレクト、アドマイヤドンにアドマイヤコジーン、ラスカルスズカ、キングヘイローですから。
今年の配合予定もルゼル、バランスオブゲーム、アルカセット、リンカーン、スウェプトオーヴァーボード、ヒシミラクル、タイムパラドックス、ホワイトマズル、ノーリーズンあたりです。
マーケットブリーダーとしては馬主や調教師にアピール度が低いかもしれません。
でも、競馬を支えているのは馬券を買ってくれるファンの方々なのでそういう面ではと思います。
ディープ産駒にルゼルの仔が勝ったら楽しくないですか。
そんな夢を大事にしたいと思います。

Posted by: 日高町の若林です : March 16, 2007 11:28 PM

こんにちは。
スウェプトオーバーボードがスニッチェルなら、私が好きな種牡馬ばっかりです!
顧客満足度という事でいうと、マイナー種牡馬で競馬を楽しめるのなら、それで心が満たされる馬主さんってのは絶対いると思います。調教師さんは、そうもいかないのでしょうけど・・・。
競馬のプロは勝たなくてはいけないでしょうが、素人は楽しめればいいのです。そんな潤いの中から、時たま強い馬がでるような生産の土壌を失ってほしくないと願っています。

Posted by: 浄閑 : March 17, 2007 12:23 PM

スニッチェルってどんな馬を出すのでしょうか?
写真や成績ではバリバリのスプリンターというイメージです。
芝とダートならどっちに適性ありますか?
ダート適性が高いなら興味あります。
ダートが×なら、今のJRAのレース体系では
除外されまくる可能性が高いと思いますから
配合しにくいです。

Posted by: 日高町の若林です : March 18, 2007 09:25 PM

こんにちは。

スニッチェルはディンヒルの系統ですし、ダートがないオーストラリアで活躍したスプリンターですから芝向きの産駒を出す可能性が高い種牡馬だと思います。

短距離路線はバクシンオーぐらいしか特化した種牡馬が目立ってないので、ベスト距離800mだろうと思われるスニッチェルは特色のある種牡馬だと思います。

除外されにくい種牡馬って考え方もあるのですね・・・。私もダート路線にのれるような馬の方が好きですけど。

Posted by: 浄閑 : March 19, 2007 11:33 AM

こんばんわ。
やっぱり距離は持たないんですね〜
地方競馬の認定R向きですね。
認定勝ってからJRAなら除外にならないので
面白そうですね。
僕の配合方針としては、JRAを意識して配合する場合はやっぱり距離(1600以上)をある程度重視します。
ダ1700&1800路線です。
当然仕上がりの早さもです。

地方競馬の場合は、ダート適性重視で距離は1400以上という感じです。
馬格も重視します。

なかなか思ったような子供はできませんけど

Posted by: 日高町の若林です : March 19, 2007 11:24 PM