February 03, 2006

オーストラリアで馬を持つメリット その1

最近はネタ不足でスロットの話題に終始していますが、今日会社の帰りに吉宗で26,000円勝ちました少しはお馬さんの話もしてみようと思います。いくつか是非ともこれについて書いておきたいという事もあるのですが、順をおって実例を示しながら話を進めていきますね。

最初は「維持費」のお話です。丁度今日のかずら先生の日記にこんな記述があります。

先月の27日からトレセン近郊のK牧場に放牧に出ておりましたが、調教師に無理を言って辰巳牧場に移動させてもらいました。K牧場は、調教せず1日7500円(税別)と破格の値段ですので、ただ安静にするだけなら、そんな高い預託料を支払う必要がありません。

これは放牧費に関する指摘です。1日に7,500円という事は月額232,500円。ちなみにKanandah Queenは一日$30のパドックで休養しています。月額にすると$930、日本円にすると約79,000円です。

勿論、値段の直接な比較をしても余り意味はありません。放牧費とは言っても、骨折とかでなければ引き運動をちゃんとしてくれたり、他には餌に気を使ってくれたりして牧場ごとに経費が違ってくるのは当然でしょうし、何より扱う人のレベルが高ければ請求額も高くなりがちなのはどこの世界でも同じだからです。

ここから、かなり強い毒を吐く事になるのですが、日本の牧場というのは、いい加減なところが多いように思います。「毎日元気に乗っとるよー」と電話で話していて、不意に牧場に訪れたら乗り運動どころか引き運動すらろくにされてなかったといった話や、休養牧場においても、放牧にだされて数日のうちに勝手に笹針を打たれて、見に行ってみたら自分の馬が知らない間に凄い内出血を起こしててハコウしていたなんて話を聞いた事もあります。

確かにこういった牧場は日本でも極一部なのかもしれません。でも、なぜ日本の馬主はこの手の酷い目に会うのか?それも色んな馬主さんの話を聞く限り頻繁に。私はこれこそが維持費を考える上で最も重要な事だと思うのです。

私が日本で新馬を買ったとして、どこかで育成するとなると、ミーハーが半分入っていたとしても、まずノーザンファームがいいです。BRFでも十分すぎます。社台ファームも含めて、是非ともうちの馬をお願いしたいですね。坂路があるところじゃないとダメだとは思いますが、まぁそれなりに実績のあるところならOKではあります。

でもね、じゃあこれが実際に出来るかというと、出来るわけないんですわ(笑)。そりゃセレクトセールとかでノーザンファームの生産馬を買えば、育成もお願いできるのだろうとは思いますよ。でもね、そんなもん、「スロットで何枚ださんとアカンねん!」ちゅう話なわけですよ。はっきりと非現実的です。

でもね・・・・やっぱ育成って普通に大事ですよね・・・。変なとこで育成したら、せっかく素質があっても気性面に問題が残ったりして全然走ってくれないとか・・・。はたまた厩舎で仕上げる過程で無理が生じてくるとか・・・。ええ、身の程をわきまえてますから私もそんな極端には贅沢を言いませんよ。常識の範囲内で結構です。でもなぁ・・・やっぱり出来ることならノーザンファームで育成して欲しいですよねぇ・・・。

「日本では貧乏な新人馬主が安い経費で、自分の馬を一流の育成に預ける事ができない」。

事実かどうかまでは分かりません。でも私の認識はこうです。ほんまもんの良血馬達が毎日坂路で調教されてるのに、私が買えるクラスの血統馬で、適当な育成をしててそいつらに勝てますか?勝てるわけないじゃないですか。もう、のっけから勝算のない戦いになるわけですよ。

Ocean of Tearsの育成にかかった経費はこんな感じです。


2005/04/26$235.40輸送費
2005/05/23$454.85放牧費(ビンバディーン)
2005/05/23$81.6獣医費
2005/05/23$52.8 装蹄費
2005/05/23$268.4輸送費
2005/06/25$1,166馴致費(ビンバディーン)
2005/07/19$736.56調教費(スミス厩舎)
2005/07/19$1711.38馴致費(ビンバディーン)
2005/08/17$283.35輸送費
2005/08/17$648.07放牧費(ブルックリンロッジ)
2005/09/20$591.2放牧費(ブルックリンロッジ)
2005/10/17$149.6輸送費
2005/10/17$1006.72プリトレ費(リミットレスロッジ)
2005/10/17$88放牧費(ブルックリンロッジ)
2005/10/17$325.76調教費(スミス厩舎)
2005/11/29$334.17 輸送費
2005/11/29$228.8放牧費(ブルックリンロッジ)
2005/11/29$1254.08調教費(スミス厩舎)
2005/12/20$573.6放牧費(ブルックリンロッジ)

岡さんには考えうる限り最高の育成をしてあげてくださいと依頼しています。Perlinさんには、「お金もないのにブルジョワ馬主みたいな事をしてますね」と言われました(笑)。ま、誰に言っても恥ずかしくはない育成をしてあげることが出来たと考えています。それで8ヶ月で約1万ドル、日本円にして約85万円です。そして、一つ間違いなく言えるのは、この値段で同レベルの育成を日本で自分の馬にしてあげるのは不可能だということです。

勿論の話ですが、ここまでしたからと言ってOcean of Tearsが大活躍するかというと、それは神のみぞ知るです。いや、ゲートとか反則気味に速いらしいですけどね(ムフ。

結局何が言いたいかというと、オーストラリアには「勝算がある」わけですわ。もしかすると間違って重賞までぶっこ抜くかもしれない。これは大きいですよ。結局競馬の怖さってのはですね、馬が強かったら、馬主がアホだろうが、調教師がボンクラだろうが、実際のとこ勝ちまくるんですよ。「金がない」というハンデが具現化さえしなければ、貧乏馬主にもチャンスがあるんです。それは「夢」と言ってもいいかもしれません。

日本の維持費が総じて高いのは、物価の関係ではありません。あくまでも競馬産業の構造の違いを根本の原因としているように思います。物価って言うなら、コーラは2ドルするからAUのが高いぐらいですわ(笑)。

馬主もね、結局は走る馬を持たないと「負け」なんです。走る馬をもってこそ、初めて凄みも出てくるんじゃないでしょうか。お金を支払う意味、オーストラリアにはそれがあるように思います。そして、これは途方もなく大きいメリットなのではないかと私は考えているのです。

私は職業柄、大学病院のお医者様と話をする機会が多いのですが、お医者さんというのは「人の命を救う」という実に尊い職業です。特に大学病院ですと、寝る間も惜しんで医学の勉強をされてる先生も少なくありません。かずら先生は開業医ですので、色合いは異なりますが、私は先生を人間的に尊敬しています。本当に馬好きの真っ直ぐな方だと思っています。そんな先生でも、馬では結構酷い目にあわれているんですよ。本当にやりきれない想いです。

オーストラリアの競馬は、育成などにおいても実力の世界で、こちらに問題さえ無ければ一見さんの馬でも預かってくれます。決して内向きの世界ではありません。これもかけがえのないメリットだと思いますね。

投稿者 Jyoukan : February 3, 2006 12:07 AM
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