Royal Randwickは歴史あるオーストラリアを代表する競馬場の一つです。クラスが同じであっても、競馬場(賞金)によって格が異なってくるオーストラリアでは、この競馬場にて出走するという事自体が一つのステータスと言えるでしょう。駐車場から競馬場に入り、まずは「Ownere's Ticket」と書かれた一角にて日本でいうところの馬主章を貰うようです。そしてエスカレーターで馬主席へ。
この日はカーニバル中ということで馬主席は高級レストランと化しており、食べ物も酒もデザートも何から何まで豪華でしかもてんこ盛り。当然食べ放題、飲み放題です。こういう席に慣れない私は、おずおずと無難な鴨肉や生ハム、サラダを少しとって食べてみましたが、無茶苦茶うまかったです(笑)。シャンパンも美味。まぁオーストラリアはワインをはじめ、酒類はかなり美味しい国ですからね。
豪華な昼食をいただいた後、Kanandah Queenが出走する第4レースの発走時刻が迫ってきました。
装鞍所に向かったところKanandah Queenは所定の場所にはいなくて、引き運動がされていたのですが、見てすぐに彼女だと気づきました。なかなかの雰囲気がある馬に成長していましたね。岡さんは「気性も含めて無駄というものが一切ない本当に良い馬です」と褒めて下さいました。確かに「Simple is the best」を地でいく馬です。決して「Tansoku is the best」とか言っちゃいけません。写真を何枚か撮ってそうこうしているうちに、鞍がつけられ、パドックへと移動していきました。
いよいよ彼女のブラックタイプへの挑戦が始まります。
私達もKanandah Queenと共にパドックへ移動し、そこで初めてオッズを見たのですが、単勝50倍超の最低人気。最後方からまくっていくという面白い脚質なのに、相変わらず人気がでません。まぁG2のメンバーに混じればこんなものかもしれませんが・・・。作戦は、6番手追走から直線勝負、1頭交わして掲示板、あわよくば3着狙いというものです。
パドックでじっとKanandah Queenを見ていましたが、ひどい発汗で、馬場がSlowという事もあり、条件はきついと思わざるを得ませんでした。まぁしかし今更じたばたしても仕方ありません。コーリー・ブラウン騎手ともがっちり握手を交わし健闘を祈ります。
思えば、最初に持った馬がシドニーのイースター・カーニバルで重賞レースに出走しているというのは凄い事です。本当に人に恵まれたと思います。
レースの方は、予定通り道中6番手を追走。勝負所の4コーナーではもう手応えが怪しいのか、まくっていく事は出来ずで、コーリー・ブラウン騎手はイチかバチか内を狙っているように見えました。そして前に出来た一頭分の隙間に、勝ち馬Perfect Promiseに突っ込まれ、思いっきり進路がふさがれます。順位も6番手から8番手まで下がり、私はそれを見た瞬間に思わず下を向いてしまいました。
「これはダメだ・・・」
本来まくっていって順位を上げていくべきところを、不利まで受けて下がってるんだから惨敗だなと覚悟しました。
しかし直線に向いて体制を立て直した後、Kanandah Queenが猛追を開始します。彼女は最後まで諦めませんでした。
1頭交わし、2頭交わし、3頭目に重賞勝ち馬Demergerを頭差で捉えたところがゴール。
5着入線。実にしぶとく粘り強い末脚です。
これまで彼女の末脚は、低い重心とスナップの効いた後駆から生み出されるものだと思っていましたが、それに加え強烈な勝負根性も彼女の武器なのだと気づかされました。不利さえ無く条件が整っていれば3着はあったという気持ちも捨てきれず、少々複雑な想いもありましたが、これが競馬ということなのでしょう。というか、このメンバーの中で、ちゃんと「競馬になっていた」というだけでも凄い話です。
重賞初出走で5着。ブラックタイプには届きませんでしたが、先頭からですら5馬身も離されていません。本当に素晴らしい「競馬」でした。
Kanandah Queenのブラックタイプへの挑戦はこれで終わるわけではありません。またいつかチャンスが訪れると思います。それまでどうか無事に元気で走って欲しいと祈るばかりです。
Kanandah Queen・・・俺をこんなステージにまで連れてきてくれて本当にありがとう!