イースターセールはオーストラリア最高峰のイヤリングセールであり、良い馬を探す必要性はあまり高くありません。少なくとも20頭に1頭はかなりのレベルの馬になります。問題は予算内で良い馬が買えるのかどうか・・・。私の場合ですと、ハナから一番良い馬を買う事は予算上許されていないわけです。
この初日の時点でいくつかの選択肢というか悩む点がありました。
一つ目は、3日目に上場される428番のFafliev×Dane Ripper(Danehill)の牝馬。母Dane RipperはAUのチャンピオン古馬牝馬で、コックスプレートを含むGI4勝の名牝です。本来ですと買えるはずのない馬なのですが、父ファスリエフのAUでの成績が思わしくなく、Dane Ripperのこれまでの産駒が大不振で人気が出ないかもという読みがありました。また439番のMore Than Ready×Dawn Grace(Danehill)も非常に良い馬でかなり惹かれた馬でした。また今回は他の候補馬達も結構3日目に多くいたのです。というわけで、まずは3日目まで待った方がいいんじゃないかという事。
二つ目は、Kanandah Queenが明日30日の昼間にG2に出走するということです。2日目のセールは夕方より開始されるので、今日一日待てば予算がいくらまで増えるのか確認することが出来ます。間違って勝てば16万ドル強という凄い額が予算に追加されるわけで、そうなればフサイチペガサス産駒なども視野に入ってきます。
三つ目は、セールというのは初日が一番価格が上がらないという事実。バイヤーはそれぞれ下見の結果、何頭かの候補馬を決めてセールに参加しているわけで、後になればなるほど候補馬の数が減っていくのですから当然競り合いになりやすくなります。
結局私がチョイスしたのは初日勝負。待つだけ待ってその候補馬の価格が高騰して結局買えないというパターンに陥りそうと思えたからに他なりません。
そして初日・前半の購買候補馬は以下の4頭。
63番:Royal Academy×Our Side Show(Snippets)
65番:Dehere×Paciffic Shore(Gone West)
87番:Fantastic Light×Poetique(Our Poetic Prince)
98番:Minardi×Procure(Centaine)
63番は腰の被り方が強烈でスプリングでも埋まってるじゃないかという程バネの効いた歩様をしていました。繋ぎが短めなのが弱点っぽかったですが、買えるものなら買いたいという馬でした。65番は完全にパワータイプ、重心が低く決め手にあふれてそうな馬でした。87番は父親似の好馬体で特に弱点を感じないまとまった馬です。98番は新種牡馬の産駒で価格が抑えられそうな上に血統も馬体も完全にスプリンター、非常に分かりやすい馬でした。
スコープ検査、X線を使った化骨検査はどの馬もローリスク。また岡さん、スミス調教師からもOKサインが出ています。
私的にはどれでも構いません。どれか1頭となると65番のDehereだと思いましたが、この馬は血統が派手で買えない可能性がかなりありました。87番は牡馬なので63か98だなというところでしたね。
そしていよいよ63番のロイヤルアカデミー産駒がセールリングに上がります。私も当然参加するつもりで最初様子を見ていたのですが、なんと速攻で10万ドル超え。最終落札額は22万ドルで購買者はビクトリア州の調教師ミック・プライスでした。
・・・・・
こんなの買えねーよ つД`)・゚・。
そして間髪いれずに65番のデヒア産駒が登場。今度はゆっくりした上がり方で私も8万から9万に競り上げます。しかし、じわじわと10万、15万と上がり続け最終的には21万ドルでお買い上げ。購買者は欧州のエージェントでした。
やっぱこのセールは半端じゃないな ○| ̄|_ また俺の予算不足&高望みコンボが炸裂かよ。
87番のファンタスティックライト産駒も牡馬なので最初様子を見ていたのですが、23万5千ドルまで上がります。つうかこんな馬達の化骨検査とか頼んだ俺ってまんまお馬鹿さんですか(笑)。うーん、これは98番のMinardi産駒を落とせないと今回のセールで馬の購買は無理かもという思いが頭をよぎります。後に控えていた候補馬達ってガリレオ産駒とかファンタスティックライト産駒が多くて、値段が抑えられそうなオクタゴナル産駒はみんな牡馬だったんですよね。
どうしたものか・・・と悩んでいるうちに98番のMinardi産駒がパドックに登場。柔らかくてスピードのありそうな良い馬です。岡田総帥がパドックにいらしたので、本馬をじっくり見るかなと思い遠目に様子を伺っていたのですが、ろくに見ちゃいませんでした。一瞥をくれただけという感じで、不安がよぎります(笑)。ちなみに総帥は競りに参加する馬だとチビカメで撮影を始めるので、どの馬に参加するのか簡単に分かりますね。
そして98番がセールリングに登場です。私は日本人が競っているとやたら価格をつり上げてくる嫌なヤツがいるので、階段の通路まで移動して影から競ることにしました。
競りのスタートは5万ドルから。間髪いれずに私が6万に上げます。すると相手も間髪いれずに7万。そして私がまたすぐ8万・・・これで落ちてくれと天に祈ります。しかし、9万にまた速攻で上がりました。
ぐっは・・・マジかよ・・・。
これは適正価格超えたぞ・・・たかだか実績のない新種牡馬の産駒じゃねーかよ。
くっそー、半分にして9万5千に上げるか。
ここは降りだろ。
様々な気持ちが一瞬のうちに湧き上がります。
しかし私が取った行動は、「Up」。
10万ドルまで一気に上げてやりました。そして、これで相手が諦めたのかピタっと声が止まります。「落ちるのか・・・」そう思いながら10万ドルと表示されている電光掲示板を眺めていると、ついにハンマーが振り下ろされました。
98番 Minardi×Procure(Centaine)を10万ドルにて落札
やっちったー!思わずガッツポーズも飛び出します。
まぁお金持ちの人達にとっては何ということもないのでしょうが、私にとって10万ドル(消費税込みで約900万円)というのは相当の博打です。そして実際にこれだけの価格の馬を馬主資格を持たない素人が海外で買ったという事実。最後の1万ドルのUpは、まさにただの競馬ファンとしてオーストラリア競馬に興味を持ちはじめ、わずか一年間とはいえ毎日地道に勉強してきた人間の「意地」そのものです。またずっと競り負けてきた「怒り」でもあります。
「貴様の奥義を破ったのは怒り!執念に勝る… このオレの怒りだ!!」
我が生涯に一片の悔い無し!!!ってことですよ(あべし
一年前、初めて参加した競りで3万ドルから3万8千ドルまで競りあがったのにビビってしまって競り負けた頃に比べると私にも大分狂気が宿ってきたようです。しかしこれでとりあえず、初めてセールにて馬の購買に成功。10万ドルという価格は、岡さんの予想価格よりは上がりましたが、メリッサさんは最終日だったらこんな値段ですまないとおっしゃってましたし(優しい方なので気休めかもしれませんが)、他のMinardi産駒も9万5千ドルと20万ドルだったので、実際こんなもんなのでしょう。
岡さん、J1さん、毎度ながら大変お世話になりました。お陰様でついに馬が買えましたよ。
しかし戦いはこれからなのです。言ってみれば現在のステータスは900万円を単勝にぶちこんだようなもので、まだ結果が出たような話ではないのです。落札した3時間後ぐらいには顔が真っ青だったんじゃないかとも思います(笑)。まぁとは言っても、共有者の方が他にいらっしゃいますので私の所有分は50%ぐらいなんですけどね。
何はともあれ、ついにセールにて馬の購買に成功。その日の夜はもう気力を使い果たしてしまって、せっかくメリッサさんや岡さんが飯田社長や鬼塚さんとの夕食をセットしてくれたのに、テンションは上がらず早々にホテルに戻ってずぶずぶと深い眠りに落ちたのでした。
はじめまして。
ハンドルネームで失礼いたしますが、セールや競馬場でうろちょろしていたあの若造です。お分かりになるでしょうか?
しかし、あの場でもっとも場違いなのは馬を買いもしない私ですね。
いつも楽しく読ませていただいてます。
ロイヤルアカデミーはやっぱり高いですよね。
Kanandah Queenもすごいですがミナルディの仔にはもっと素晴らしい成績を収めて欲しいですね。応援しております。
ご無沙汰してます。
うーん、単勝900万円ですか。
凄いとしかいえませんねぇ。
楽しみにしてますので破産してもこのページの更新だけは続けてくださいね。
>>笊さん
こんばんは。
一人ぽつねんとしてる事の多かった私の話相手になっていただきまして、ありがとうございました。笊さんは取材でいらしてたので場違いなんてことはないでしょう(笑)。
記事の方、楽しみにしております。グランドアーミーに全額いったのかもこっそり教えて下さい(笑)。
>>荒川久美子さん
こんばんは、はじめまして。
ロイヤルアカデミーは高かったですね・・・事前の調査で本命視していた466番の馬も45万ドルでしたし・・・。
あのMinardi産駒は週末メトロで通用しないようだと恐ろしい程の赤字額になりますからね、私も勿論活躍を期待しています。良血牝馬ですし、いつでも3万ドルぐらいでは売れると思うので、Kanandah Queenぐらい稼いでくれれば納得です。ちなみにKanandah Queenは16日のローズヒル開催牝馬限定のオープン戦に出走予定です。
>>Jk27さん
ご無沙汰しております。
恐ろしい額の博打ではありますが、結果どう転ぶのかは「神のみぞ知る」です。このページの更新はどうなんでしょうね・・・私は自分が50歳以上になって経済力がついてきた頃を見据えて今を行動してますので、仮にここ数年で破産しても雌伏の時を経て再チャレンジすると思います。
馬用の資金が尽きたら老後が不安になるというリスクになりますので、貯金を崩し始めたら危険信号ですよね。まぁ資金計画はちゃんとしてますので大丈夫です。そもそもが全く走らないというのを前提に試算してますから。
始めまして。いつも楽しく読ませていただいています。この度は、落札おめでとうございます!&非常に手に汗握るお話で、思わずメッセージを書かせていただきました。個人的には正面の写真は父と同厩舎で後輩のハイシャパラルに似て、欧州馬が持つ「気品」を、横の写真はHalo系のような「しなやかさ」を感じる、とても素敵な馬だと思いました。血統的にも裏付けがありそうですし、今後の活躍、楽しみにしています!
Posted by: Smarty Jones : April 6, 2005 11:29 AMすんません。グランドアーミー、ビビりました。2倍だとちょっと・・・。
でも、イグザクタ2点買いで的中。単勝全額と同じ配当をゲットです。
グランドアーミーは2週後の香港でズドン!かな・・・。
>>Smarty Jonesさん
こんばんは、はじめまして。
応援ありがとうございます。ハイシャパラルは言い過ぎでしょうけど、まだイヤリングですし柔らかくて可愛い馬です。今後の成長が楽しみですね。
>>笊さん
それは凄いな・・・かなり儲かってますよね。私は2着をひねりすぎて思いっきり外れました(笑)。
あとついでで申し訳ないのですが、Netkeibaのマカイビーディーヴァの記事
>中山競馬場の芝コースはムーニーバレーと芝の感触とコースの形状がとても似ている。
もしお知り合いがいらしたら「周りが逆じゃん!」と突っ込んでおいてください(笑)
Posted by: 浄閑 : April 6, 2005 08:56 PMNetkeibaはしょっちゅう間違えてますからね(笑
そのうち直すでしょうw
あのマカイビーディーヴァの記事はラジオNikkeiのものです。確かにnetkeiba.comの記事はしょっちゅう間違えてますけどね(笑)。
浄閑さんには毎晩のようにオーストラリアの競馬のトリビア&ニュースをお伝えしているわけですから、ここでケアレスミスされてしまうと、皆さん勘違いされてしまうので、気をつけてくださいね。浄閑さんの希望とは裏腹に(?)アクセス数がかなり増えているようだし…。
Posted by: J1 : April 7, 2005 06:40 AM>ネットケイバ&日経
これ大元はJRAの広報発表ですかね。
ちなみにJRAのリリースだとマカイビーディーヴァはサンライン、ノーザリーに続いて、牝馬としては賞金No.1だそうで・・・。
ラジオ日経の記事でしたか・・失礼いたしました>ネットケイバ様
うちのBlogは「監修:J1」ですので、ミスをしていても翌日には直ります(笑)
JRA広報には「サンラインも牝馬じゃん!」って突っ込み追加ですか
Posted by: 浄閑 : April 7, 2005 11:18 AM親亀こけると子亀もこけるので、こっちも気を使います(笑)。
JRA発表のオーストラリア情報とかは信憑性が低いのではないかと思っていますが、どうなんでしょうね?
Posted by: J1 : April 7, 2005 12:57 PM